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観測者の足跡

観測者ハ足跡ヲ残シタ。

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PSYCHO-PASS2 第8話

PSYCHO-PASS2、第8話を視聴したので、今回もその感想をば。
コパス2期も残り4話とあってか、追い込み回が多く、真相が回を増すごとにクリアになってきてますねー。しかしその分詰め込み量もあるので、毎度内容を脳内整理するのが大変で御座います。


さて、8話は前回の続きで鹿矛囲くんの手術に関わった執刀医の医師と、雑賀先生の押し問答から始まります。鹿矛囲の福音を告げるというこの医師は、自らの口で(或いは鹿矛囲の代弁者として)”鹿矛囲桐斗”がどのような存在なのかを語りました。
鹿矛囲桐斗。彼は前回推測された通り、飛行機事故によって犠牲となった子供達、7人の脳を含む184人の肉体を繋ぎ合わせて、一人の人間として形成された存在でした。詰まり、ブラックジャックとかフランケンシュタインとか、その領域ですよね…。
彼の肉体や脳を形作っているのは死者のものばかり。手術直後の最初こそシビュラは彼を認識していたそうですが、やがて肉体が彼に馴染むのに逆行するように彼の存在はシビュラの認識下から外れていった。
彼の動機、目的。その根底にあったのは社会的孤独感や疎外感だった、と。そういう事のよう。
…これってどこかで見たような動機ですよね。そう、1期のラスボスだった槙島の試行行動の根源。彼が人や社会に反発し、それらを試すように行動するようになったその原因には、彼がシビュラに認識されない免罪体質だった故の孤独感や疎外感が起因していたのでは? こーがみさんはそう分析していました。当然、彼本人が直接口にした理由では無いので、飽くまでこーがみさんの推論ではあるんですが…。それを槙島に突き付けた時、彼は「僕の孤独を笑うのか」と返し、自らの中にある孤独感について否定はしませんでした。
槙島が免罪体質という先天的な特殊体質なら、鹿矛囲くんは飛行機事故後に受けた手術によって認識下から外れた、後天的な特殊体質者であるという事でしょう。

そしてその飛行機事故が起きた時期、日本では不審な航空および交通事故が多発していました。
この時期、経済省から発案されたシビュラシステムの代替案となる国民支援制度。「パノプティコン」と称されるそれは、嘗てジェレミーベンサムが提唱した囚人の一望監視体制という、収容所で用いられる建築システムをベースにしたものでした。簡単にいうと、国営にして国が国民の動向を監視するよって事でしょうかね。
銀行と交通に適用させる予定だったそれを試験的に交通分野に導入した所、多大な不具合が発生し、パノプティコンの採用は見送られる形となりました。

一見すれば体制の変革が失敗に終わったと見えるんだが…。どうやらそういう簡単なものではない様子。
多大な不具合として起こった航空・交通事故。その裏でパノプティコン案を破綻させる根回しが何者かによって成されていたとしたら…?そしてそれをすることで誰が得をするか。考えれば、シビュラとそのシステムの恩恵を多大に受けている者しかいないですよね。
鹿矛囲くんはそこに自身の役目、シビュラに復讐をするという目的を見出したと言います。


朱ちゃん達は医者の証言を元に、事件の洗い直しを始めます。
彼は事故の被害者の成長ホロしか纏わない事、報復対象が医療関係である事を前提に、面が割れていると結論付けていました。…果たしてそうなんでしょうかね。確かに、これまで彼の纏ったと解るホロは全て事故の犠牲者の中からで、今生きている人間にすり替わっている描写は無かったと思います。生きている人間に”一時的に”すり替わっていたとしても、正直彼のホロ技術は雛河くんでなければ視認で見破るのは無理。常に連れ歩いていなければ、「生きた人間には擬態していない」とは言い切れないのでは?と思わずにはいられません…。
そしてもう一つ明らかになった、すり替わる側の元々の行方です。
誰かにすり替わるという事は、すり替わる前の自分が存在している筈。他人になる前のその人自身の身元が行方不明者として残っているのではないか、と推理しましたが、しかし行方不明者の報告は無し。詰まり、すり替わる前の身元が無い人間が他人になり代わるという事。ここで「密入国者」の可能性が示唆されました。
確かに密入国者は国籍や戸籍が無いですからね。すり替わっても、元々の自分を暴かれる心配は無い。鹿矛囲くんの周辺で暗躍していた偽物さんの中身は、この手の人達だったという事でしょう。そして恐らく、この「密入国者の存在」が劇場版への伏線なんだと思います。(海外を匂わせてますよね、明らかに)

更に雑賀先生と対峙する東金さんも描かれていました。
彼なりの牽制にも受け取れますが、これは逆に雑賀先生に自分の裏を勘付かれてしまったようにも見えました。それでも何か余裕があるから、彼にとっては問題のない範囲内なんでしょうかね…。ともかく、東金さんは雑賀先生の鋭さが気に入らない様子。
ちょっと個人的に思ったんですが、雑賀先生にこれだけ牽制してくるって事は、同じくらい洞察力の鋭いこーがみさんともしも対面した場合、絶対馬合わないんじゃね?と(笑
危うく私の脳内で、こーがみさんと東金さんの凄まじい牽制合戦が始まりそうでしたw


一方、一人単独行動で東金さん周辺を洗い続ける霜月ちゃんは、公安局のデータベースからはアクセス出来なかった東金財団の所持する特許を調べに、経済省特許局へと向かっていました。
鹿矛囲くんもふた月前にそのデータを閲覧していた事をログで知り、その閲覧したデータの中身が全て薬品関係であった事、全てのデータの裏にあったのが東金財団である事を知ります。更に15年前の航空機事故の手術で東金財団の特許技術が用いられた事と、東金財団が所有する特許の中に、脳を生きたまま摘出する手術やら繋ぎ合わせる手術、施術をドローンの全自動化で行うなどが含まれている事を突きとめました。

そしてその特許出願者は東金美沙子。東金さんの母親だったんですねぇ…。
ここで東金財団の繋がりに気付いた霜月ちゃんは父親、特異体質「AA」の先天性実証例などを閲覧しようとしますが、封印措置により弾かれます。
こんな安々と東金財団の暗躍がバレてしまって…霜月ちゃんが核心にあと一歩という所まで近づいたように見えるんですが…なんというかかなり怖いですね、この感じ。東金さんの履歴にも封印措置が施されているというのに、財団の活動発覚がこんな簡単で良いの?と。


その頃、朱ちゃんはすり替えられた人間の元を虱潰しに探す捜査に乗り出していたようですが、全て不発に終わったようです。その帰り道、車中で自宅の警報アラームが鳴ります。どうやら朱ちゃんの自宅に仕掛けていた加重センサーが反応したよう。誰かの侵入を示唆しています。
もしかしたら、また鹿矛囲くんか!?と思わせつつ、急行してみるとそこにはライフラインのシステム点検に来ていた作業員のおじさん…。
「お忙しいとの事で管理用の鍵の使用許可にサインを頂いている筈ですが…」
「…あ」

朱ちゃんはうっかりさんだったようです(笑
それにしても許可貰って堂々と作業しているのに、突然公安局が乗り込んできてスタンバトン突き付けられるわ、身元の確認でスキャンされるわ。とんだ目にあったおじさん…可哀そす。。。(色相濁らなかったんでしょうかね(^_^;)

事無きを得て、東金さんと二人、自宅でお茶を飲むのですが…。
この人引き入れて大丈夫だったのか!?と思わずにはいられない。特に東金さんの裏の顔を知ってしまっている今となっては…。
しかしそんな心配を他所に、二人の雰囲気は和やか。
「可愛げが無い、という意味で」と言われて顔を赤らめる朱ちゃんが、二期になって初めて年相応の女子に見えましたw
元々はあんな風に感情を表に出す子だったのになぁ…。
そういや、可愛げ云々はこーがみさんにも言われてましたね。「まだもう少し可愛げがあっても良かったと思うぜ」と。
色んな人に可愛げを心配される朱ちゃん(笑
そんな折、葵お祖母ちゃんの自宅の警備レベルが引き上げられましたという公安局からの通知が。後ろを向いてデバイスを弄る朱ちゃんへ向かう東金さんの鋭い視線。先ほどの朗らかさは消えてました。あの目が、葵お祖母ちゃんに狙いを定めたものでないと願いたいもんです…。


再び視点は霜月ちゃんへ。
公安局に戻り、食堂で何やらPCに向かい書類を作成している様子。
そこに彼女は自分で見つけ出した、東金美沙子及び東金財団の暗躍、飛行機事故の陰謀、鹿矛囲桐斗の目的などを書き綴っていきます。
そうここまでは良いんです、ここまでは。論点として核心に近づいている感があったのに…。
何故か途中で朱ちゃんと東金さんの批判へ論点がすり替わるという事態が(笑
霜月ちゃん、どんだけ朱ちゃんの事嫌いなのw
本来切り離して突き詰めていくべき問題が、別のものにすり替わってしまった事で結果的に朱ちゃんの監視官としての能力を疑う事で、彼女の失脚を望む物になってしまっていたのでした…。
そしてそれをあろうことか局長へと送信。
本人は直談判のつもりだったのでしょうけど…。

あーあーあー。これはね、私情が強過ぎたね…霜月ちゃん。
でも或いは、既に手遅れだったのかもしれない。
彼女は知ってはいけない所まで知り過ぎてしまった。それも手柄を立てたいが為にたった独りで。

禾生局長の部屋へ趣き、霜月ちゃんの送ってきた報告書を眺めながら、なかなかよく出来ていると褒める局長。喜ぶ霜月ちゃんですが、そこが既に神託の巫女の腹の中という事は知る由も無い…。
局長は「AA」(先天的免罪体質)の意味を霜月ちゃんに教えます。その正体はオープンドア・データ。別の言葉だとハニートラップ。詰まり釣り餌である、と。
予め調べようと思って調べると出てくるような場所に機密めいた情報を設置する事で、重要機密を暴きだそうとする社会不適合者を炙りだし把握する。その意思がある者だけが、するすると掛かる罠、といった所でしょうか。
霜月ちゃん、君もそれに引っかかったんだよ?と局長は諭します。
一瞬何のことか解らない様子だった彼女ですが、シビュラの重大な秘密を君は知ってしまったんだよと言われた事で漸く事の重大性に気付いたよう。しかし既に遅かったですね、色々。


後ずさりした彼女の後頭部にコツンと当たるドミネーターの銃口。その銃把を握っているのは東金さんですよぉ!しかしその執行モードはロック。犯罪係数が100越えていない為トリガーはロックされていました。けれどそれで彼女に勝機があるかと言われると…前も後ろも挟まれて、生きた心地がしませんよねぇ。

東金さんは、霜月ちゃんは良いサンプルになると言いました。善良過ぎる模範的な市民代表として、後にシビュラが目指す段階、フェイズ2に移行する時の貴重なサンプリングが取れるのでは?と。
そして禾生局長に向かって母さん、とも。
やはり、今の禾生局長の中にいるのは東金さんの母なのですなぁ。

「母さんとシビュラを美しく清らかにするのが私の役目です」

東金さん、黒の染物職人じゃなかったのけ?(笑
今度は綺麗にしますと言ってます。お母さんとシビュラ限定で。
という事は、東金さんは黒幕と思って良いんでしょうかねぇ。シビュラの傀儡である可能性が高くなってまいりました。(だから監視官にドミネ向けても、シビュラに削除されるから記録として残っていない=朱ちゃん知らないんじゃないかなぁと思ってた推測が現実味を増してきたようで、私は興味深々です)
これが演技である、という線も未だ残ってはいますが…。どうでしょうね。
そうして局長は霜月ちゃんに世界の秘密を教えてあげる、と甘言めいた声色で語り始めましたとさ。


うーん。今週もかなり濃かった。というか真相開示回でしたね。
あと4話、次で残り3話ですか。なのでそろそろ気になっていたあれやこれやの全貌が見えてくる頃ではありますが、毎週、毎回が「なに!?そういう事か!」の連続です(笑
次回はどんな秘密が明かされていくのか。霜月ちゃんがどうなるのか。楽しみな所です。




追記。
 一昨日のノイタミナのニコ生にて、劇場版サイコパスの新キービジュアルと新PVが公開されましたね!

リアルタイムで視聴していたのですが、もう滾りました!ていうか、このポスター欲しいです!お部屋に飾りたい!!w

劇場版の映像も初公開され、躍動感がビシビシ!っと。
作画がIGに戻ってきた事、そして劇場版という事で、一回りも二回りも美しさに磨きがかかっていました!

公開された映像の中には1係の面々の姿も。しかし、あの人がいない!ブラックなあの人が!
須郷さんすら一瞬映ってたのに!!
キャスト表見ましたけど、そこにも名前が見当たりませんでした…。これって、詰まり…??

そして一番の気になり所だった、こーがみさんの出演有無。こちらも確定情報が出て、どうやら登場するようです!
一瞬映っていた目元でもう胸を撃ち抜かれちゃいました。顔隠しているというのに!恐るべし、こーがみさんのオーラ…。
キャスト表にも関さんの名前、ちゃんとありました!台詞あります!!(笑

こーがみファンとしては立場云々より、出るか出ないかの方が気がかりだったので、これで安心して「劇場版楽しみ!」と言えます(良かった…)

本来この情報は今年2月の香川県で行われた映画祭で発表されていたようですが、緘口令が敷かれて皆さんがそれを守っていた為、これまで情報が殆ど出ていなかったようです。
色々錯綜してましたしねぇ。
なんでも聞いた話によると、海外が舞台という事で、役によっては声優さんはこの頃から英語の特訓をされていたそうな。英語の台詞ありますしね。すごい。

海外舞台で、テロリストの中でちらつく影って、やっぱりあの人なの!?あの人なのぉ!!??と悶々としつつ、今後の新情報を待ちたいと思います。
来月には完成披露試写会もあると言いますし、サイコパスる冬の到来ですね!!
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