前回、カロス地方を舞台にした新作が出たのが約三年前。その間、ルビサファのリメイクでORASの発売もありました(当方は初代から全ての地方、リメイクをプレイ済みのポケモン歴20年の古参です)が、漸く!と言うべきか、遂に!と言うべきか、新作サンムーンが発売されました。
輝く太陽を模したポケモン・ソルガレオと光る月を模したポケモン・ルナアーラがパッケージの今作。予約特典ゲットの為に9月に予約完了していたのですが、その予約するギリギリまでどちらのバージョンを買うか、めちゃくちゃ悩みました…。
んで、悩みに悩んだ結果。上の画像の通り、ムーンを選びました。
昼夜にリアル時間と時差があったり、ストーリーの強制ムービーでは経過時間を無視して夜固定で進行したり、シナリオでルナアーラが取り沙汰されるといった違いがありますが、私がムーンでプレイ致しましたので、以下、ムーンの進行条件で語らせて頂きますね。
新作発表が今年の春だったと思うのですが、それから凡そ半年間。首をアローラナッシーの如く長くして待ったポケモンファンは私だけではなかった筈です。
久方ぶりの新作ということに加えて、今回の作品は大森さんがディレクターを務められたということで、どんな風になっているのだろうとドキドキしていた日々が今はもう懐かしく思います。
新たな地方、アローラは南国ハワイがモチーフらしいですね。
初の、地方自体がそれぞれ独立した島で、大陸になっていないという仕様。
これまで各所の町に点在していたジムやそこを守るジムリーダーは存在せず、代わりに知恵や行動力を試され、ヌシと呼ばれるボスを倒す試練と、島ごとの試練をクリアして島の代表者たるリーダー、島キング島クイーンに初めて挑戦できる大試練。
その為に四つの島を巡る、島巡りというコンセプト。
これまでポケモンの歴史で無くてはならなかった仕様が一新され、誰も経験した事のない冒険をすることになりました。
正直、ジムがないということを初めて知った時、不安でした。
歴代全ての地方、シリーズで絶対の目的としてあったジムバッチを集めるという一つの仕様。ポケモンを20年やってきましたが、”その仕様がない”ということを経験したことが無いので、一体どういう旅になるんだろう。どういうストーリーになるんだろう。と思っていたんですよね。
当たり前にあったことを今更無くして、果たして面白くなるんだろうか。
ゲーフリは思い切ったことをしたなぁ、、、って。
でも実際遊んでみて、それらは杞憂だったし、単なる思い込みだったということに気が付きました。
勿論、各地のジムを巡ってジムリーダーを倒すという従来のやり方だって、”ポケモン”を語る上では欠かせないものでしたから十分楽しいんですけど(シリーズごとに各ジムの凝った仕掛けも毎回楽しみでしたし…)、でもこの試練を突破していく”島巡り”はそのジム巡りとはまた異なった面白味を感じましたよ。
一つ目のイリマの試練からして、ヌシはアローララッタだったのでその手下的なアローラコラッタを倒していって、最後ヌシを倒す~と。まぁ初戦としては優しめで解りやすい内容のものだったんですよ。だからずっとこんな感じの似た試練をやるんだろうなぁ~と、割と安易に考えていたんですが…。二つ目、三つ目とやると、それぞれキャプテンの特色によって非常に個性豊かと言いますか、一風変わった試練が沢山でした!
最初の、「こんな感じか~」と惰性な目で見ていた自分が情けないくらい(笑
試練の度に「おお!今度はこんな感じか!」と驚かされることもしばしば。そうしてこなしていくと、段々次の試練はどんなだろう!ってワクワクしてきてる自分がいるんですよね(笑
物語中盤~終盤の試練、大試練は、最早序盤の形態を無視してたりしますので、予想をいい意味で裏切ってくれる発見や驚きがありますよ!
私的な話になりますが、一番好きな試練はカキの試練ですかね~。彼の試練で虚を衝かれて大笑いしたプレイヤーは沢山いると思います(笑
実際そういう声を多く聞いたので、予想だにしなくて腹筋崩壊したのは私だけじゃなかった!と後になって思いました。
単なる間違い探しだと思っていたのに…
まさかのやまおとこ乱入。そしてヌシの乱入。
あの発想は無かった\(^o^)/
真面目に画面を注視していた自分がアホだったと大笑いしながら思いましたよ、ええ(
だって、カキくん真面目な子だと思っていたんだもの…なのに、なのに、「入りたくなるのです」とか真顔で言ってると思うと、なんてお茶目なヒトなの(笑
カキの試練をベスト・オブ・試練に認定したいくらいです。
そして『困難さ』という意味では、最もキツかったのはマオの試練でのヌシ、ラランテスですかね。
これは最初に選んだ御三家によって難易度が変わるのかもしれませんが、私はアシマリを選んで冒険していたので、彼女の試練が断トツでキツかったです…。その後のウラウラ島やポニ島の島キング島クイーンとのバトルより、ポニの最奥・月輪の祭壇での最終試練のヌシ・ジャラランガよりも!!!(ココ大事
というか、思い返してみるとラランテス戦以外で大苦戦したようなバトルって無いんですよね。後半になればなるほど手持ちは種類が増えますし、技も強くなりますし、レベルもぐんぐん上がっていきますし。ポニ島いる頃には相手より10くらいレベル差付いてました(寄り道しまくったからなんですけどもw)
ラランテス戦はまだ序盤で手持ちもそれ程強くなく、且つ大ダメージを与えられる技を覚える弱点カバーのポケモンが極限られている。
初手でオーラを纏って素早さを二段階上げてくるので、ほぼほぼ先手を取られる。
2ターン溜めにかかるソーラーブレードなる強力兵器を、パワフルハーブというガチ勢がガチのポケモンバトルで使うようなアイテムを使い、溜め無しで確実に一発は撃ってくる。
二ターン目で仲間を呼び、その仲間がケララッパorポワルンという、自らの弱点を補う作戦を取る。
ケララッパならガーディの威嚇等で攻撃を下げるとワンチャンありますけど、ポワルンだった場合日本晴れで晴れ状態にされたら最後、無双で全滅というルートが待ってます(これが正直一番怖かった)
四つ目の試練にしてこの難易度はキツすぎないか!?と思いましたが、絶対どうにかして勝つ!!という謎の闘争心に火がついて、レベリング頑張りました。
因みに私の場合ですけど、死に出し要員を二匹用意してました。
円らな瞳が先手で打てる攻撃ダウンの技である事と、クリティカルヒットのアイテム使用で。
キーマンは当然威嚇ガーディでした。威嚇で攻撃下げつつ、炎のZ技。
兎に角一撃でヤツ(ラランテス)を倒さなければ、紙耐久のこちらに勝ち目はナイ!!ので。
…あとレベルも結構重要です。しっかり上げなければZ技すら火力不足で返討ちに合うとかザラにありましたし。(この戦法を固めるのに、何戦も戦いました…)
これ、お子様が涙目は勿論、大人でも最初にぶつかる大きな壁なんじゃないかって、今でも思ってます。恐ろしや…。
と、ここまで今回の新要素、『島巡り』と『試練』に尽いて語りましたが、シナリオも負けず劣らず…いやそれ以上に素晴らしかったです!
今回主人公の周りにいる少年少女たち。リーリエ、ハウ、グラジオ。
最初こそ、彼らとはそれ程強くない接点で、何となく関わり合っているといった感じの関係性でしたが、中盤以降でガラッとその関係性が変わりました。そして彼らの印象も…。
特にリーリエ。彼女の変化が今回一番驚きだったし、一番大きく印象が変わったキャラクターだったし、一番好きになれた存在でした。
初めはね、謎の多い”よく解らない”キャラクターでした。が、徐々に感情表現が豊かになっていってるんですよね。笑ったり、ツッコみを入れたり、前向きに物事を捉えるようになったり。だからこそ自らの足で財団に”戻った”のでしょう。逃げることを止めたのは、そういう変化があったからかもしれません。
母と発覚したルザミーネとの確執。兄であるグラジオとの関係。バラバラになった家族を取り戻す為に。
きっとショックは大きかったと思うんだよね。母親の罪と暴走と。どう向き合えばいいのか。
許せないけど、見捨てられない。
ルザミーネがウルトラホールに消えた後、エーテルパラダイスの屋敷で一晩過ごしたリーリエは「かあさまのベッドで眠るのは、今夜が最後」と言っていました。
思い出の中のルザミーネは優しい母で、昔は今のルザミーネとは違っていたことが明かされている。でもそれに縋るのは、今夜が最後…。私にはそういう、ある種の決意に聞こえました。
そして翌日、主人公の元に現れたリーリエは長い髪を一つに結い上げて。ただ主人公に付いて行くだけだったお嬢様のような彼女が、自らの意思で行動することを決めた。
旅には明らかに向いていなかったエレガントな洋服は、すっきりと動き易いスマートな装いになって。
嘗ての街で「店員さんに最後の一着だと勧められて、つい気合を入れないと着られないような服を買ってしまいました」とはにかんでいたソレなんだと思うんですよ。文字通り、気合を入れないと着られない服を着ることこそが、彼女の精一杯の気合の表れ。
そうして笑う彼女は、見違える程逞しい、力強い決意に溢れていました。
それまでの消極的な姿勢は無く。ほしもぐちゃんを救う為に、かあさまを救う為に、積極的に前へ前へと進もうとするリーリエが眩しいのなんの。
ポニ島のナッシーアイランドで月の笛を入手した時、雨宿りした場面があったんですけどその場面で妙にキュンキュンしてました。(あれ…私百合属性は持ってないハズなんだけどなァ…。女の子二人の近い距離に、トキめいてました)
それから月輪の祭壇へ向かう際も、彼女に何度も引っ張っていってもらいました(ヒール役、本当に有り難かった!!)
途中の、リーリエの初試練!橋渡り再チャレンジも素敵な要素で、良い序盤の伏線回収だったかと。見よう見真似のZポーズが可愛くて、画面の前でニヤけっぱなしでした。
月輪の祭壇で、満月をバックに二人で笛を吹いて。
沈黙してしまっていたほしもぐちゃんがルナアーラだったのには、ほんっっっとうに驚きました。
これまでのシリーズで、伝説、特にパッケージのポケモンは神格化されていることが多く、その伝説ポケモンが”進化”で現れるものだとは思いもしなくて…。
ホシモッグがルナアーラ(サンならソルガレオですが)ということは、実は伝説ポケモンと序盤から一緒に旅をしていたんですよね。それも気づくと感慨深いと言いますか。
なので、今回の伝説ポケモンはこれまでと異なり、何処か「温かみ」があるように感じました。
人を、リーリエを想う、感情が確かにある。
親子のような、兄弟のような、深い深い愛情が芽生えていたんじゃないかなって。
それ故に、EDのリーリエの言葉。
『みんなに あえて よかった
あなたに あえて よかった』
と、ルナアーラのおでこにコツンと自分のおでこをくっつけている写真が胸を打ちました。
よく見るとルナアーラが優しくリーリエの体に手を回しているんですよね。そこに種族を超えた愛情を感じましたよ…。
つくづく…
何かを強く決意した女の子は強い!!!
EDでカントーへ旅立ってしまったリーリエ。あのお別れの件は、シリーズ史上最も長い殿堂入り後のEDだったと思うのですが、ハウと一緒に私も泣いてしまいました。20年ポケモンやってきて、ゲームのEDで泣く日がくるなんて(´;ω;`)ウゥゥ
そのくらい別れる寂しさもあったり、リーリエの成長が愛おしかったというのもあったり。
旅の終わりの物悲しさもあり、涙腺がユルユルでした。
ED後のお楽しみをやっている今も、時々リーリエはカントーで「がんばリーリエ」してるのかな~と想像したりしてます。
今回ライバルとなったハウも、最初は南国少年らしいユルっとした感じの男の子でしたが、成長しましたね~。
リーリエを守りたい!ってエーテルパラダイスに一緒に乗り込んだ時は、良いツッコミ役もしつつ頼もしかったです(笑
そしてグラジオ。初期の公開情報では悪役側の取っつき難いだけの少年かと思いきや…。
実はリーリエのお兄ちゃんだったり!妹思いだったり!ポケモンに愛情たっぷりだったり!箱入り息子だったり!エーテルパラダイス潜入時には、内部を知るお助け役として頼もしかったのなんの。
仲間、という関係に照れながらも満更でも無い様子は、完全なツンデレ君でした(笑
主人公が女子だったので、近くなる距離感にキュンキュンしてましたよ。
彼もまたリーリエ同様、最初と印象がガラっと変わったキャラクターだったように思います。
冷たいイメージとは違い、ルザミーネを「あれでも母親だから」と見捨てなかったこと。計画失敗で凍結処分される予定だったタイプ:ヌルを奪取して財団を出たこと。変わる為、母を止める為に強さを求めていたこと。
彼の根っこの部分はとても思い遣りがあるのだと思います。
前作でも主人公の周りに複数の仲間がいました。その時の活躍や友情もとても面白かったのですが、こんなにも周囲のキャラクターたちの変化が楽しくて、感情移入出来て、愛おしくて。同時に名残惜しさに涙したり、感動したり。
EDを終えた時、長い長い壮大な映画を観終えたような充実感・達成感は非常に大きく、ポケモンのゲームでこういう気持ちになったのは記憶にある限り初めてだったように思います。
うーん、叶うならもう一周したいくらい!(笑
というか、リーリエ再会イベント来てほしいですよ!!!(切に
ED後の今、ポケモンはまだまだ終わってません。寧ろ、ここから!なのがポケモン。
ウルトラビースト捕獲というアフターストーリーに、カプを含む伝説ポケモンの捕獲、図鑑埋め、未開の地の探索、育成、厳選、交換、対戦…etc
まだまだ楽しむ要素は山ほどあるんですが、取りあえずEDを迎えストーリーを終えたということで、そのことに関する感想を述べさせていただきました。
今作、ライトユーザーもヘビーユーザーも普通に楽しめるシナリオなので、まだの方、迷っている方は是非是非やって頂きたいです。そしてこの感動を自分の目で確かめて欲しいと思います。
追伸。
エーテル財団のルザミーネ一家の考察を近いうちに簡単に纏めたいデス。