大変ご無沙汰しております。私生活がバタバタしておりまして暫く放置しておりましたが、久々の更新です。
順番的に春に発売された理想郷の猟犬の感想を書くのが先決なのですが…。つい先日こちらが発売されたという事で、やはりこれに触れない訳にはいかない!と円盤の感想をば。。。
小説はもう少し落ち着いてから感想をこっそり零しておこうと思います。
さてさて、遂にこの日が来ましたね。
去る7月15日、劇場版PSYCHO-PASSがパッケージ化され発売されました。
思えば劇場公開の1月から約6ヶ月。長いようで、いざその時が来てみると「あっという間だったな」と感じます。
隣の県まで足を運んで観に行ったり、監督の地元という事で奇跡のような上映イベントに参加させてもらったり。本当、この作品に対する思い入れは深くなったなぁと今更感じます(笑
発売決定から予約開始の頃って確か3月頃でしたかね。色んな店舗であれやらこれやらの異なる特典が付いて、かなり目移りした方も多いのでは。私も例に漏れず、販売店舗を見ながらPCと睨めっこして悩みましたよ。
そんな中、私はアニメイトさんのアニメイト限定版を購入させて頂きました。
劇場版見た時から「円盤出たら絶対買う!」と心に決めてましたし、折角の機会だからとちょっと奮発。
円盤自体の種類はBD、DVDの2種類に加え、デフォでシナリオブックやら70分越えの特別特典映像が付いたプレミアムエディションと本編ディスクのみを手ごろな価格で楽しめるスタンダードエディションの2パターン用意されるという幅の広さ。特典欲しい!という方は勿論多いと思いますけど、中には特典はいいから本編見たい!という方や、そんな高価な金額出せないんだけど見たい!という学生さんにも優しい選択肢だったと思います。
私が購入したアニメイト限定版の封入特典は写真の通り。当日に届いたんですが、その外箱の大きさにまずびっくりし、重さにびっくりしました(笑
見た目だけ言ってしまえば、百科事典並の重量感でしたよ。
そして予約特典でもある複製原画(ギノさん)は、箱に入りきらないので付属になっていました。これもまたきっちりしてあって高級感が…!
外箱の中身ですけど、本編や特典映像、シナリオブックにミニパンフがセットになったディスクパッケージ(発売されたPE、SEはこのパッケージに特典が+αあるか無いかの違いだと思うので、この作品自体の顔とも言える品はこのパッケージセットでしょうな)。限定版特典になっているキャンバスアート(狡噛&宜野座)、複製台本が同梱されておりました!(超絶豪華
アニメの円盤って幾つか持ってますけど、一作がボックスでも無いのにここまで大きくて豪勢なのは実は初めてだったりします。
まずは本編ディスクでしょー、って事で。ディスクパッケージから触れていこうかな。
ディスク自体は二枚組になってます(これはPE、SEで枚数異なります)。
一枚は本編。二枚目は映像特典。これだけでも見るのに、計約3時間掛かる計算になるんですけどね(笑
本編の内容は劇場版を観に行った時の感想で触れてますし、その面白さや素晴らしさは今回割愛。ただ円盤化するにあたって、監督曰く家庭用AV機器やテレビ画面でも劇場版に遜色無いよう、色やエフェクト、サウンドの調整を結構加えているみたいです。(劇場版で放映した音や映像をそのままやると、家庭用の機器では全く同じとはいかないようです。その為それに合ったものへ変更する作業が幾つもあったようですよ)
確かに月並みな体感ですけど、劇場で見た時は大きなスクリーンでハイクオリティな音響設備も整った環境下だった為、映像が前面に迫ってくるような感覚や音の振動が体の内側まで届いて震わすという体感的な感想を真っ先に感じてましたけど、流石に自宅の、平凡な家庭用機器では比べ物になりませんでした(^_^;)
でもでも、自宅で観るという事にはそれならではの良さが。周りの、見知らぬ人の気配という物が無いので約2時間リラックスして、集中して見る事が出来ますし、何より自宅ですからどういう姿勢でも問題ない訳ですね。ごろんと横になっていても、ジュースやお菓子を用意しても、誰にも気兼ねはいらない訳です。
私は兎に角最初は集中して観返したかったので、家族が寝静まった夜に一人ソファに腰かけて見ました。劇場では終始圧倒されてましたが、今回は過去二回に比べるとかなりまったり、じっくり観る事が出来たと思います。
時々劇場で観た時の状況を思い出したりもして。観る前のドキドキ感とか、観終わった後の興奮覚めやらぬ震えとか、イベントの思い出とか、フラッシュバックしてきましたよ(笑
約2時間というと長く感じますけど、見始めちゃうとあっという間です。そして一気に観たくなる、そんな一枚でした。
そして忘れちゃいけない、このディスクの裏面とも言える特典。オーディオコメンタリーの存在を!!!
こちらはPE、SE両方にデフォルトで付いている特典だそうで。通常版にすら特典付きなんてすげぇ…と、制作サイドの太っ腹感も凄いですが、この内容がまた面白い!
監督、音響、効果を担当した4人の精鋭が本編を見ながら語る、制作裏話に個人的な劇場版乃至PSYCHO-PASSに対する情熱、思い入れ。
一期から担当されてる方たちばかりなので、劇場版との制作対比や、場面の映像的コダワリ、音響的コダワリも随所に暴露してくれているので、興味のある方にとっては唸らずには居られません。何より監督自身が「このシーンにはこういう意図が隠されててね」と解説してくれている場面もありますので、これ聞き終わった後にもう一度本編見直すとまた違って見えますよ。
「兎に角やりがいがあった。凄く楽しかった。でも同じくらい難しくて大変だった」
一つのアニメーション映画を作る上での苦労とか大変さも伝わってきて、個人的にはコメンタリー聞いてるだけでも凄く楽しいんですけどねw(←制作サイドの秘話とか凄く好きな人
二枚目の特典ディスクに尽いて感想を述べると、こちらは公式による劇場版制作の掘り下げを兼ねたおまけの特集動画といった具合でしょうか。その名も「重要参考人徹底調査」!
禾生局長直々に今回制作するに於いて重要な役割を担った主役声優陣三人、塩谷監督、音楽を手掛けた菅野さん、と3パターンで制作過程の秘話や作品への姿勢、込められた想いを「事情聴取」という体でインタビューした映像が収録されております。
更に映像を作り上げたproduction I.Gの現場、3Dを担当したサンジゲンのスタッフとの座談会にもメスがしっかり入っており、どのような技法で一つ一つの場面が作られたのか、どういうコダワリが隠されているのかが解ります。
今回の劇場版は一期で出来なかった事、やり残した事をやろう!という事がテーマであり、銃火器が多数火を噴くミリタリー要素満載だった訳ですけど、このミリタリーを徹底的にやる!という裏側で、実際屋外にセットを組んでスタッフ参加のサバゲーをやり冒頭の公安一係が密入国者と戦う廃棄区画でのシーンを再現した映像や、シラットなどのアクションを実際アクターが立ち回り実践してみて動きをアニメーションに落とし込んだ様子、ミリタリー分野の会社に取材してロープ降下などのリアルな動きをベースに持ってくるなど、アニメーションにしては珍しい、実際人が同じような動きを実践的に行った上で、アニメとして映える演出を加えているんですよね。詰まり、あの手の動きは現実の人間が元になっている、と。
これはアニメの世界ではなかなか珍しい手法なのではないでしょうか。
そして締めには監督自らがガイドする公式「聖地巡礼」(笑
モデルとなったカンボジア、アンコールワット周辺で実際本編に登場した、或いはモデルになった現場を結構細かく案内してくれています。宛ら、ミステリーハンターが登場してクイズを出題し不思議を発見する某番組のようw
コアなコパスファンやクラスタさんの中には、実際現地に旅行に行かれる方もいらっしゃるんだとか。そういう方にとっても、こうして公式が現場を案内してくれるというは有難いものかもしれませんね。中にはこれを見て「行ってみよう!」と決断した方もいるかも?!
とまぁ、こういった制作する上での丁寧な”創る”という過程は、本編自体には色濃く出にくいものです。出さないようにやってる訳ですけど、後になって種明かし的に「実はこういう現実の物がベースになっていてね…」と知る事が出来ると、私としてはかなり嬉しかったりします。同時に、道理であんなに凄いものになっている訳だ、と合点もいく訳です(笑
そういう「裏方の動き」という物が垣間見える特典映像でした。…ていうか、特典で70分越えの番組一本作っちゃうって凄いですよね。テレビの1時間番組でもCM入ったりするからこの長さにはなりませんっ。
同梱されていたシナリオブックに尽いても少々。この一冊はPSYCHO-PASSの円盤ではお馴染み、脚本担当の虚淵氏と深見氏のシナリオを一つの冊子にまとめたもの。言わば、本編の道筋となった源ですな。
今回は劇場版とだけあって、テレビ放映時よりうんと厚みがあったんですが、意外とすんなり読み終える事が出来ました。本編知っているからでしょ?と思った方、いえ、そういう訳でも無いですよ。
このシナリオブックは色んな方の手によって映像化される前の物ですから、随所が本編と違うんですよ。既に冒頭のアバンから本編とシナリオで場面構図が違いますw
一通り読んだ感じで言うと、キャラの台詞の変更点は殆ど無く、本編で喋ってる通りの台詞なのですが展開や場面、クローズアップするものの違いが大きく表れています。何が生かされて何が変更されて何が削られたのか、はっきり見比べる事が出来る訳です。
何より一番強く感じたのは、シナリオの方が公安メンバー(特に一期からの旧一係メンバー)の掘り下げが色濃い!という事。ギノさんは勿論、六合塚、志恩の描写も最初は多かったんですねぇ。でも限られた尺の中で多くの素材を使わずに観ている側に要点を伝えるには、何に焦点を当てるべきか。あれもこれも欲張ってバラつきが出るよりコンパクトにする所はコンパクトに。そういう観点からか、本編ではその殆どが変更、端折られておりました…。
公安一係の活躍が極端に少なかったというのは公開当初から言われており、それを残念がるファンの方も多かったですが、作品を一つに統一してカタチにするとなると致し方無かったのかも?と少し思っちゃいました。何を押し出すべきか、は非常に難しい選択ですしね…。
でもシナリオとしてはきちんとその描写は残されておりますので、公安の掘り下げもっと欲しかった!という方は一読をオススメします。
ギノさんのシャワーシーンも狡噛さんの全裸逆さ吊りもしっかり残ってますから(笑
個人的に変更されちゃったけどこれ良いなぁと思ったシーンは最後の締めでしょうか。ヘリで帰路に着く朱ちゃんが眼下に広がるジャングルを眺めながら、この何処かに狡噛さんがいるのだろうかと思い馳せる描写と、公安のヘリが空に筋を描きながら飛んでいく様子を地上から見送り朱ちゃんへ想いを馳せる狡噛さんの描写が対比的に描かれていた所。
私こういう、あからさまな言葉や行動じゃなくて、ふとした時に心が繋がるシーンって好きなんですよ。お互いその様子は知らないんだけど、視聴者(第三者)は知っている。ふふ、萌えます(笑
余談ですがアニメイト限定版に同梱されていた複製台本。こちらはより本編に近い(というか殆ど完成に近い)内容を文字で詳細に追う事が出来ます。
なので図式的に言ってしまうと、
シナリオ>>>>>>台本>>本編
という改変、変更の形なのかな?と。
これらは大元は同じなんですけど、似ているようでそれぞれが微妙に異なる3つの形になっていますので、それぞれ楽しめるんですよね。うーん、なんとも幅の広いこと。
総括。
公開前から期待に胸を膨らませて劇場に足を運んで本編観た訳ですが、待ちに待った円盤発売という事でこれからはあの時感じた途轍もない興奮を自宅で何度でも味わう事が出来ると思うと、今回購入して正解だったと思ってしまいます。
興行収入8億って数字も快挙だと思いますし、ロングラン上映、追加上映や御礼イベントで長く「劇場版公開」というものを楽しめた思い出の一作という意味でも、こうして数ヶ月経った今もう一度楽しめるのは嬉しいものです。
何より、特典でもコメンタリーでも、監督やスタッフさんは続編という文字をやんわりと、明言を避けつつ匂わせてくれてましたからね。これはやるでしょ、やらない訳がない!(確信
続編がどうなるかはまだ解りませんが、これで終わり!にはせずに、これからもPSYCHO-PASSの世界を広げていってほしいと願います。