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観測者の足跡

観測者ハ足跡ヲ残シタ。

監視官常守朱

遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます!
年明け一回目のブログ更新です。
今年はのっけからPSYCHO-PASSの劇場版公開という、大きな花火を皮きりに一年がスタートしますので、2015年が益々コパスに浸れる一年であればいいなと思います。
勿論、そのほかのアニメだって沢山見させて頂きますし、声優のマモもしっかり応援していきたいと思います!
つらつらと、マイペースに更新していきますので、本年もよろしくお願い致します。



 
さて、新年のご挨拶もそこそこに、さっそく表題通りの記事を書きましょう。
1月5日発売、監視官常守朱6巻。この巻を以て、監視官常守朱(アニメでいう所の1期)が終了を迎えました。
まずはこの巻の感想から。
最初のページから「失われたバレンタインデー」という番外編で始まるわけですが、「あれ!?5巻の続きだよね!?」と思えるくらいにがらりと雰囲気が違います。
脚本家である深見氏著作の小説版PSYCHO-PASSの下巻に収録されたおまけを、コミカライズしたそうな。
バレンタインデーという、あの世界ではすっかり旧世代のイベントになってしまっている日を巡って、嘗ての1係、狡噛、佐々山、宜野座の物語です。
いやぁ、ギノさんばっちりからかわれてましたね(笑
真顔でチョコを配って回るあたり、彼のピュアさがにじみ出てますw
それを知っててからかう佐々山さんは、ギノさんを心配して(本当にそれだけが真意なのかは不明だが…)ああいうジョークをそれっぽく吹き込んだ、なんて言ってますが。名前のない怪物の方で、こーがみさんと同じくらいギノさんを気に掛けている描写もありましたから、佐々山さんにとっては良い弟分なのかなぁ~。それにしても、おもちゃにされすぎだ(笑
それをちゃんとした意味で心配するこーがみさんも律儀w
しかしまぁ、こーがみさんがバレンタインデーをちゃんと知っているとはね。当然”知識の一環”としてって感じ丸出しだけど、でもそういう事も解っている辺り博識ですな~。
最後のシーンはちょっとフラグっぽいですけどね(^_^;)
後に起こる標本事件の………。

そして番外編の後、本編(5巻の続き)が始まります。
こーがみさんは公安局から逃亡し雑賀先生の許へ 、朱ちゃん達は逃亡者狡噛を追いつつも槙島を追いかけるという展開はアニメとほぼ同じです。
唯一の違いというか、尺の関係上だと思いますがオムライス回での食事をしながら雑賀先生と引用合戦をするという展開は、流石に省かれて短縮されてましたねぇ。
アナーキストの定義とか、槙島ならどう引用して返すか。(二期でも出てくるパノプティコンなど) 
漫画であり、文字の応酬になってしまうので、これはこれでアリな短縮の仕方かもしれませんね。このシーンが好き!という方にとっては、ここのやり取りも再現してほしかったと思われるかもしれませんが(^_^;)

ハイパーオーツを狙ったバイオテロを突きとめ、その計画阻止、北陸穀倉地帯へ舞台を移しての最終局面。とっつぁんとギノさんの悲しい別れと、手に汗握る狡噛対槙島の肉弾戦!そして朱ちゃん介入してからのこーがみさん渾身の呼び捨て「朱ぇっ!!」、そしてライ麦畑で捕まえて、ですよ。(ざっくり言い過ぎてこれだけ読むとなんてストーリーだ!と思えてしまうw)

この辺りの流れはほぼアニメに沿ってますから詳しく書きませんが、漫画という媒体としてはアニメーションに引けを取らない作画力が惜しみなく注ぎ込まれております。

ライ麦畑で槙島を後ろから撃ち殺す間際の描写なんて、アニメの色彩が瞼に浮かぶくらい1コマ1コマが丁寧に描かれており、二人の戦いの決着にはとても相応しい形になっていると思います。ラストシーンの船室から、机の上におかれた火の付いた煙草と「失われた時を求めて」の本。アニメの制作サイドも、ここのシーンの意味合いは重きを置いていたそうなので、それをきちんと表現されているのも、物語の幕引きとしては非常に良かったのではないかと思います。




PSYCHO-PASSという作品にハマるようになって、最初に手にした紙媒体のコパス作品がこの「常朱」でした。原作がアニメなので、漫画はコミカライズ版という位置付けな訳ですが、表紙を見て「お、これは完成度が高そう」と思い読み始めましたが、この直感は間違っていませんでしたね。
あれよあれよと最新巻まで揃えて、いつの間にか三好先生の描くPSYCHO-PASSのファンになってました。
新人作家さんにして、これが人生初めての単行本だったそうですが、新人とは思えないくらいの作画力で。キャラクターの安定感もそうなんですが、どの角度を向いていても崩れないというか。横顔、後ろ姿、変わる表情、果ては脇役やモブまで、とても綺麗に丁寧に描かれる漫画家さんだなぁと思いました。
アクションも素晴らしく、随所にあったコパスの見せ場たる狡噛対槙島の対決シーン。シラットは非常に見栄えのする動きだそうで、それだけに絵として描写するのは大変だったのではないかなと思いますが、そこも静止絵として十分かっこ良く描かれておりました。
アニメのストーリーを追いつつ、本編ではカットされたり変更された箇所を、小説やシナリオ台本などの部分から引っ張ってきて、本編とは少し改変した展開も、個人的には好きでした。
中でも印象的だったのは二話と三話。
グレイスヒルでの出来事と、八王子のドローン工場での出来事でしょう。

グレイスヒルで色相の濁りが感知された少年を確保した際、本編ではあっさりと幕引きし、とっつぁんが少年を連行してから病室シーンへという流れでしたが、常朱ではこの場面でこーがみさんが現れ少年にドミネーターを向けて発砲するか否かを朱ちゃんに問うという物になっていました。シビュラの裁量ではなく、監視官常守朱としてあんたはどうしたいんだ、と問うた訳ですね。そこで初めて朱ちゃんは自分の正義は自分で決めるんだという事に気づきました。
そして本調子じゃないこーがみさんに肩を貸して公安局に帰るシーンで、そういう上司の下でなら猟犬では無く刑事として働けるかもしれないというあの展開と台詞に繋がるという!これは素敵な改変ですよ!グッときちゃいました。

そしてドローン工場では終盤ですね。金原を誘き出して執行する際のシーンが、弥生ちゃんからオンラインに接続されたドミネを受け取るシーンが、朱ちゃんが排気ダクトを通ってこーがみさんにドミネを届けるというシーンになっていました。
アニメの展開もスピーディーで面白いので好きなんですが、漫画版の改変はまたアニメ本編とは違った良さで好きです。
部下を信じろ!というこーがみさんの台詞も素敵ですし、朱ちゃんがドミネを届ける事で二人の絆がまた一つ強く結ばれたようにも思えます。
両方を別媒体で堪能できるという、なんとも美味しい粋な計らいかと( ̄▽ ̄)

過去編である弥生ちゃんのお話が描かれなかった代わりに小説版の番外編を漫画として描き起こして下さってたり、コパスファンには全巻通して損のないシリーズになったのではないかと思います。少なくとも、私は大満足ですよ!
特に個人的に、三好先生のこーがみさんがかっこ良過ぎて////
毎回鼻血もん!毎回心を撃ち抜かれる!毎回悶える!と、私の萌えセンサーがオーバーフローを起こしてました(笑
いや、ほんとカッコイイんですって!漂う色気と鎖骨が!!!(これ大事

読み終わって「あーあ、終わっちゃった…」感が凄くて。
もっと見てたかったなぁ…って。
そう思って、あ、自分こんなに三好先生の描くコパス好きだったんだ!って改めて気付いたという(笑
アニメ原作で漫画に起こすという流れで、「これはアタリだ!!」と胸を張って言える作品ってそれほど多く無いんですが、この方に関して言えば堂々とアタリだ!と言えますし、寧ろ三好先生が一期のコミカライズ担当で良かった!と心から思えますね。
欲を言えば、もっともっとこの方の手で漫画化されていくPSYCHO-PASSを見たかった。
またいつか、スピンオフでも良いから、三好先生の描くこーがみさんが見たいです。PSYCHO-PASSが見たいです。

本当に本当に心から「長期連載お疲れ様でした!」と「こんなにも素晴らしく描いて下さってありがとうございました!」とお伝えしたいですねぇ。

感謝と敬意を込めて。
三好先生、ありがとうございました。
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