忍者ブログ

観測者の足跡

観測者ハ足跡ヲ残シタ。

PSYCHO-PASS OFFICIAL PROFILING2

 
3月27日に発売されたPSYCHO-PASS OFFICIAL PROFILING2(通称オフプロ2)。
発売決定から予約、発売まで約ひと月以上。正直発売するよって話は年末から出てましたが、発売日延期だったりなかなか話が出てこなかったりで 、気が付けば本格的に情報が解禁されたのは二月になってからでした。

新編集版、二期、劇場版とコパスイヤーとなった2014年から今年に掛けて。新しい価値観や設定、キャラクターが続々出てきて、視聴者もそれを追いかけるのに苦労しましたが、漸く一冊に纏まった設定集第二弾が手元に届きました!

今回は特典とか送料無料という事で出版元でもある角川のオンラインショップにて注文。それこそひと月待ちに待って、辺境の地方にも関わらず発売日当日の夕方に届き、軽く感動しました。絶対当日届かないと思っていたんですが…。角川さんの素晴らしい配慮に感謝です。
ふふ。特典のイラストカードの狡噛さん、カッコイイでしょ?これあれですよ、1月に発売されたnewtypeの表紙だったイラストの狡噛カットですよ!!これが特典になるって決まる前に角川さんで予約したんですが、イラストカードのサンプリング見た瞬間発狂しました。「これ、あれだぁぁぁ!!」って(笑
この号が丁度映画公開の号で、虚淵さんと冲方さんの対談やら載っていたので個人的に凄く買いたい衝動に駆られていたんですが、映画見る前だったのでまだ我慢しよう!と内容を深く知るの避けたんですよね。あの時入手出来なかった表紙を、まさかこんな所で目の当たりにするなんて…。
雑誌と同じ出版元の販売だからこそ実現した特典なんだと思います( ´艸`)


さてさて、余談はこの辺にして。内容の感想を語りますね。ガッツリと。
ネタバレ満載ですから、これから読むって方やまだ知りたくない!という方はウインドウをそっ閉じして下さいね。


設定集と言うくらいですから、今回もアニメ世界観がばっちり網羅されています。
年表から始まって、キャラクターのパーソナルデータ。世界観や社会情勢の細かな設定。新編集版の新規カットの解説、第二期をキーワード、キャラクター、一話ずつの視点で切り取った解説、劇場版での舞台設定、ストーリー、キャラクターの解説、深見さんのショートショートの劇場版補完話、主要キャスト、製作スタッフ、音楽サイドのインタビューと。それはもう、前作オフプロに負けず劣らずのボリュームです!
新しい情報ばかりかと思いきや、キャラのプロフや世界観に尽いてはオフプロと同じ情報も入っていたりするので、おさらいのように踏襲しつつ新しい情報もといった感じです。

まず年表ですが、劇場版までいっちゃうと年表がとんでもない事になっちゃってます。
前回の年表より格段に情報量が増えちゃってます。
本編だけでなく、スピンオフやコミカライズ等でこれまでに解禁された情報も含まれているので、どの時系列で起こった事なのか、前後に何があったのかなどが解るようになっています。
こういう年表は創作する側からすると齟齬や矛盾を解消する為には有難いので、嬉しいです(笑
何より一番手が「泉宮寺豊久誕生」で、一瞬泉宮寺さんから全てが始まったかのように思えるのが個人的に面白かったです。予想外の並び順だったというか(笑
いや、年表だし。キャラの生年月日的に冷静に考えたら当たり前っちゃ当たり前なんですけどね?なんだか可笑しくて。

そしてプロフ。今回は主要キャラ以外にも、2期で登場した2係、3係のメンバーが新たに追加され、こちらもすごい情報量。
こんなに一人一人細かい生い立ちを考えるのって凄い大変だと思うんですよね。全て本編で使用する訳じゃないですし…。でもちゃんと一人一人のキャラクターにバックグラウンドがあるって素晴らしいなって思います。ただのモブじゃないんだぜ!って。特に生い立ちに尽いては、なんでこの人監視官or執行官になったんだろう…という疑問がほんの少し解消されるというか。
こういう才能をシビュラに買われてなったのかーとか。潜在犯になる前はそういう仕事してたのかーとか。人間味を感じる事が出来ると思います。
一つ興味深かったのは、1係2係3係でコールサインが違うって事ですね。全てシェパード・ハウンドで呼び合っていたのかと思っていましたが、係によってそのコールサインは違います。それぞれ意味のある犬の呼称を使っていて、彼らが社会を守るシビュラの犬であるという事を匂わせているのかなぁと。
あとよくレイドジャケットや護送車に見られる103の数字。あれは1係のみのコードなんですね。他に105とかあるそうですが、あれは公安局創立期に執行件数が優秀だったグループの数字をゲン担ぎで使用しているんだとか。この辺りはオフプロの時には全く明かされていなかった部分なのでとても驚きました。
プロフの掲載内容も、ウィットに富んでいて!
初登場のキャラに関しては前回にあったような基本的な質問が主になっていますが、既に前回基本的な事を答えているキャラクターは別の切り口の質問がなされています。キャラによっては内面に踏み入った質問もあったりするので、笑えるものもありますよ。
特に朱ちゃん、狡噛さん、ギノさんの結婚観や異性観といった、これまであまり語られていなかった男女らしい質問内容は非常に興味を引きました。
狡噛さんとギノさんのタイプの女性に尽いて、狡噛さんが会話が出来る相手と語っているのに対しギノさんは無駄口のない女性と語っている辺り、二人は異性に求めるものが正反対だなぁと(笑
ある意味よく性格が現れていると思います。
それとギノさんの女性遍歴が彼女いない歴=年齢じゃなかった事に驚きです。でも計算するとそれって7歳の頃の事なんですよね…。7歳で彼女がいた…のか??どゆことー!?(混乱

今回のオフプロ2では秋に放送された2期の解説が多く載っていました。
まぁ、あれだけの短い期間で詰め込まれた推理の多いストーリーでしたから、ぶっちゃけ沢山尺を取って頂けて私としては幸いです。そして今回これを買った目的の一つに、当然その点を整理したいという思いもありましたから。
2期の細かな解説ではキャラの立ち位置もしっかり描かれていましたし、キーワードとなったパノプティコンや地獄の季節、全能者のパラドクスといった難しい内容の説明もされておりました。
何より2期で追加された新設定の代表格とも言える「集合的サイコパス」に尽いての解釈は、とても興味深かったです。とはいえ、元々難しい概念で、読んでもなかなかスッキリしなかったんですが…。塩谷監督と冲方さんのインタビューで、冲方さんが語った「ドミネーターの持ち手も集合的サイコパスの解析に含まれる、故に持ち手次第で集合的サイコパスが良くも悪くも変動する可能性があるんだ」という一文を読んで、すっと腑に落ちたんですよね。最終話の鹿矛囲くんが朱ちゃんに言ってた台詞の意味が漸く解ったと言いますか。彼が何を託したかったのか。
冲方さんの2期に込めた解釈を聞くと、このお話って実はすごい縦に深い内容だったんだなぁって。それが11話という短さゆえに詰め込みざるを得なくて、駆け足にならざるを得なくて、沢山の人にはなかなか伝わりきらなかった。なのでちょっと勿体なかったなぁって気も(汗
もっとじっくり掘り下げながら2クールくらいかけてやって真価を発揮するテーマ性だったのかもしれません。

更に深見さんのショートショートにも言及しますが、これ超短編なのにくっそ萌える!!(力説
二作収録されていて、一つ目は劇場版の冒頭を深見さんの解釈で細かに描写してあるお話です。狡噛さんがライフルで軍の装甲車両を爆破する、インパクト大の冒頭シーンですね。あそこで実はスポッター(射撃補助)のセムと銃器を扱う上での細かいやり取りがあったんだと教えてくれています。これを読んでからもう一度あのシーンを見ると、爆発ばかりが印象に残ってしまいがちなあのシーンが、また少し違った厚みで見えてくるかもしれませんね。
二つ目は朱ちゃんの視点で。軍から命からがら逃げて狡噛さんと一緒にゲリラのベースキャンプへ行く車内のシーンですね。こちらも本編のシーンとは別のやり取りが行われていた事を示唆するものになっています。彼シャツの経緯も理由も描かれていますし、朱ちゃんが狡噛さんと再会して、懐かしさにホッとしてる反面あの頃には戻れない切なさを感じる複雑な内面と、狡噛さんと離れていた間の時間を埋め合うような会話がなされます。
これがね、もうね、くっそ萌える(言葉キタナイゾ。
何気にお互いの身を案じ合う二人の距離感空気感がヤヴァイ。その癖言葉にしなくてもお互いの事が解り合えている部分もあって…。なんて信頼感だよ!絆だよ!萌えるだろっ(ゴロゴロゴロゴロ…


公式で募集した質問をスタッフが答える100問100答も面白かったですよ。
意外な質問から、痒いところに手が届く質問まで。多彩でしたが、全ての答えがスッキリ示されている訳では無く…。新たに解った事と秘密です…と濁されてしまってモヤモヤした部分と(^_^;)
中には塩谷監督しか知らない事実もあるそうです。
とはいえ、サイコパスが全ての答えを提示せずに視聴者に想像妄想させるという手法は、何も今に始まった事では無く、オフプロの時からその手法は取られていましたね。
それは100%の答えを公式が提供しては面白くない。100人100通りの解釈や答えがあってもいいんじゃないか、という公式の姿勢の表れなんだと思っています。合っているか合っていないかでは無くて、きっとこういう事なのだろうと自分の中で自分なりに考えて想像する。そこにもきっと面白さが詰まっている。そういう意図で敢えて作っていない設定もあるのではないかな?と思います。今後のシリーズで縛りにならないようにと設けている伸び代の役目もあるかもしれませんがね。


そしてそして、最後のインタビューですね。
総監督、2期キャスト、劇場版キャスト、シリーズ通してOPEDを担当したアーティスト二人、音楽を担当した作曲家、シリーズをそれぞれ担当した脚本家、監督。
オフプロを上回る人数のインタビュー記事が、単独或いは対談という形で掲載されています。
そこにはそれぞれの方々がそれぞれの立場で見た「サイコパス」という作品に対する姿勢や想いがしっかり込められています。色んな凄い方たちの熱量や努力によって一期から劇場版まで作られてきましたが、それぞれが感じているサイコパスはそれぞれ微妙に異なっていて。その違いがまた色々な形で作品の中に現れているように感じます。私はスタッフさんのインタビューとか、制作に関わられた方のインタビューを読むのが元々好きなんですけど、今回も様々な視点を回収する事が出来て、また今後違った見方で作品と向き合えそうだなぁと思っています。


もう、全然足りないんですけど。本当はもっともっといっぱい、情報は載っていて。語り出したらキリが無いくらいなんですが、全てを語ってしまうととんでもない量に膨れ上がってしまうので、主要な感想だけに留めておこうと思います。
今回の設定集も、ひっそり二次創作をしている自分としてはそちらに生かせる有難い物だなぁと思ってます。何よりその奥行き感は最早アニメのそれを越してますよ。原作が無いからとか、そういう次元では無くて。アニメーションで此処まで綿密な設定って普通なんですか?少なくとも私の知る限り、此処までの奥行き感はこの作品くらいなものではないかと思っております。
サイコパス、今度はどんな世界の広がり、可能性を見せてくれるのか。今後も楽しみにしたいです。
PR