庵野監督の出身地である山口県宇部市。ときわ公園内にある湖水ホールで開催中のエヴァンゲリオン展に行ってきました。
小雪が舞いそうな程の寒空の下、ホールに入ると早速大きな初号機とパネルがお出迎えしてくれました。決して外出向きの気候では無かったものの、見に来ているエヴァファンも沢山見受けられました。
ホール内の展示品は、テレビ放映版から劇場版三作までの原画やセル画。更にはコミカライズ版の漫画原稿に、作中に登場する施設のミニチュア模型。エヴァの骨格を正確に表した模型など、アニメ制作やエヴァに関する資料が1000展以上。
一つ一つが見やすいよう額に入れられ展示されていました。
最初はセル画や原稿が中心で、テレビ放映版の鮮やかなセル画は十数年前とは思えない色彩の美しさでした。
途中からアニメ制作に関する展示品へ。
一枚の絵をどのようにして動くアニメーションへと変えていくのか。
エヴァが走るという動作一つを取っても、一機走らせるのに何十枚と細かく描写された原画が使用されている事や、使徒を倒すシーンという時間にして凡そ5分の映像に、どのくらいの工程が必要なのかを手順を追って知ることが出来ます。
脚本があって、レイアウトがあって、背景があって、エフェクトがあって、3D処理があって、絵コンテがあって、細かなタイムスケジュール表があって、そうして幾つもの段階、幾つもの修正や改善を加えられて完成した映像へ、と流れが解り易く且つ沢山の原画で各段階の指定なども詳しく解ります。
終盤は各キャラの設定原画。衣装もそうですし、表情、配色の指定など、資料集のような設定原画をじっくり眺める事が出来ました。
更に劇場版三作を一作ずつ纏めた原画。あのシーンやこのシーンの色が付いていない状態を見る事が出来ましたよ。
全てをじっくり見終わって思った事は、「やっぱジャパニメーションって凄い!」という事でした。日本のアニメに掛ける手間や技術力は本当に凄いな、って。
庵野監督の言葉が掲載されているパネルに、今の日本のアニメはデジタル加工が主流だけど、そのデジタル処理をする為の原画は未だに人の手で一枚一枚描かないといけない。そこは今もアナログなんですという言葉を見つけて、それがとても心に残りました。
一つのシーンに対して沢山の原画があって、修正された物だと更に複数、指定が書き込まれた同じ原画が幾つも存在していたりして。
一つの作品を生み出すのに、ものすごい時間と手間と人の力が費やされているんだと思うと、これからアニメを見る目が一層変わりそうだなぁと思ってしまいました。
映画でも30分アニメでも、長短の差はあっても必要とされている手順はほぼ同じですから、アニメという物を作るのがどれほど大変な作業の積み重ねか、知ると価値観も変わってきますね。
元々エヴァ自体はファンと言える程の熱を持っていた訳では無く、これまで少し離れた位置で見ていたんですが、作品に込められた人の情熱に触れて、感動と充実感で胸がいっぱいだった私。エヴァ好きである旦那より、エヴァファンと言えない自分の方が何倍も感動してしまうという、とても奇妙な現象が起きちゃいました(^_^;)
このちょっとした温度差に、「あれ、なんで?」と言うと。旦那曰く、それが一般人とアニメ好きな人の違いかもね、と。作品好きな一般人の旦那と、オタクである私は惹かれた点と着目点が少し違っていたよう。…うん、強ち間違いじゃないのかもね。
でも旦那も好きな作品の貴重な展示が見られて満足そうだったので、家族で行けて良かったと思えました。
というか、うちのような田舎県でアニメの原画展が見られるなんて、一生に一度あるか無いかの大問題ですよ!
こんな機会絶対無いと思ってましたもん。
一重に、宇部出身の庵野監督のお陰、なんでしょうね(笑
とても大きな感受性を貰える、貴重な経験をさせてもらえたと思っております。
これはエヴァ好きのみならず、アニメ好きなら行って損は無いんじゃないかなぁと思いますよ。そのくらい得られる物が多いエヴァ展でした。
最後に物販コーナーに立ち寄ってみたんですが、エヴァ展限定商品の数々が凄かった。そしてそれを次々手に取って購入していくエヴァファンも凄かった。
個人的に、宇部で有名な蒲鉾の会社、宇部かまとエヴァがコラボして商品出してるの、なんか興味惹かれました(笑
使徒のコア饅頭もすごい。特に色が(笑